東洋医学(漢方薬)

東洋医学(漢方・鍼・灸・気功)療法          

東洋医学(概要)
 東洋医学は非常に古い歴史を持っており、東洋特有の自然哲学思想を根底にして、構成されています。また、経験医学として発達し、先人達が、数多くの症例で使用しながら、積み重ねた経験の結果の上に成り立っており、極めて高い治療効果が得られきています。
 西洋医学が科学を基に、人体を細分化、分析し、病気の本体を解明して行く局部的医学に対し、東洋医学は人体を自然の一部として包括し、自然との調和、順応という形で、生命をとらえる自然一体の医学です。

東洋医学と西洋医学の違い
 西洋医学は近代医学として急速な発達を遂げてきましたが、東洋医学は東洋古代の哲学的色彩を多分に保存しながら、大きな変化も無く、ほぼ昔のままの形式を維持しています。

 西洋医学が微細を極めた分析を行い、局部的に綿密な研究を成し遂げているのに対し、東洋医学はあくまで総合的に生体を把握し、調整しようとしています。
 西洋医学が生化学や病理学の発達により、検査データを対象とした予防で、そのデータや他覚的所見を基にして、病名を重要視するのに対し、東洋医学では個人の体質を改善し、予防しようとする方法を採り、あくまで患者の自覚症状を重んじ病める患者の病態をつぶさに観察して、証を決定し治療に直結させる方法を採っています。

漢方医学
 『人間個々が、一つの小宇宙』である。その中での調和が健康という事であり、そのバランスが崩れた状態が病気になる。それゆえ、この不調和を治すという事が治療になるわけです。
 「身体の不調和を治す」、というと簡単な様ですが、実際にはそんなに単純明快に、病気を改善させることなど出来ません。効くと思って出した薬が全く効かないということが、多いのです。
 不調和を治すという理屈からすると、冷えているものは暖め、固まっているものはほぐしてやるという様な事になります。文献によると 汗・吐・下・和 の4つはその基本法で、汗を出し、毒を吐かせ、または下剤で下し、不和を緩解するという事です。
その他にも、症状の中の性急な部分を先に治して、その根本を後から治すというやり方、一方で暖める薬を出しながら、もう一方では攻撃する薬を出すなど臨機応変な治療が必要になってきます。その方の持つ様々な要因に合わせた「個性」のようなものが治療にも求められます。漢方治療がオーダーメード医療といわれるのはこのためです。

東洋医学と西洋医学の統合診療
 東洋医学と西洋医学の長所を取り入れ、また、それぞれの欠点を補い合うことで、最適な医療を提供したいと思っています。
 病気を治す医療から人を癒す全人医療へと進化して行くには、どうしても西洋医学と東洋医学の両方を合わせた力が必要なのです。そうする事で、 診断と治療においての異なるアプローチにより、広くて深い診療が可能となります。
 西洋医学は機器による画像診断(CTスキャン、レントゲン、超音波画像など)や検査(血液、尿など)により、病巣を発見することができます。
 一方、中医学を代表とする東洋医学は、問診(患者さんの話を聞く)、切診(脈を診たり、お腹を触る)、望診(患者さんの外観や舌を診る)、聞診(口臭、体臭などを嗅ぐ)という診察方法から、病巣箇所より、患者さんの身体のバランスの“歪み”を見極めます。
 診断に関しては、画像診断や検査値の様に、客観的なデータは得られません。しかし、患者さんの一言一言に耳を傾け、病気の個所だけに注目するのでは無く、身体全体からの病態の把握、五感からの観察・情報の収集などが必要とされます。
 例えば、脈を診る事ひとつをとっても、指先から幾種類もの脈を感じ取る事が必要です。
 この様に、西洋医学と東洋医学の両方を用いて診療することで理想的な医療が成立して行きます。
 数千年もの歴史をもつ東洋医学治療(漢方、鍼灸、気功など)の良さは、副作用が少なく、肉体の自然治癒力を最大限に高めて疾病の治療、健康増進に強い効果を持っていることです。
 鍼灸治療は、按摩、マッサージに比べツボを直接刺激することで、より効果です。痛みを取り、血行を促進し、免疫力を増強することが、よく知られています。
 また、漢方治療は化学薬品のような副作用がほとんど無く、慢性疾患の患者さんにも安心してお飲みいただけます。
 但し、副作用も皆無ではありません。